実は「高等教育」と言っても、「高等学校」ではなく、「大学や専門学校など」が無償化になるようです。私はてっきり高校が無料になるんだとばかり(そんな勘違い私だけ!?)
※知らなかったんですが、もうすでに「高等学校等就学支援金制度」という高校の学費などを支援してくれる制度もあるようです。今後はこれも調べてみたいと思います!
2020年4月から始まる高等教育の無償化について、
「高等教育の無償化って大学の学費が無料ってこと?」
「うちの子の行きたい学校も無料になるの?」
「学生生活費も無償になるってほんと?」
など、高校生のお子さんがいるママは特に気になってるのではないでしょうか?
私も、今後うちの子が対象になるのか気になるので、「高等教育無償化」がどんな制度なのかちょっと調べてみました。今回の記事では、
- 高等教育の無償化とは
- どんな学校が無償化の対象?
- どんな人が無償化の対象になるの?
- 高等教育の無償化の問題
など、高等教育の無償化の内容について、できるだけ分かりやすくご紹介していきます。
この記事は
高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針の概要(2019年2月12日)
高等教育の無償化に係る参考資料(2018年12月28日)
をもとに作成しています。
※内容については、2019年4月22日時点で文部科学省から出されている最新の資料を元に作りましたが、今後また変更があり次第、随時更新していく予定です。
高等教育無償化って?
高等教育無償化は、平成29年12月8日に「新しい経済政策パッケージ」の中の一つとして「幼児教育無償化」とともに閣議決定された制度で、
低所得者世帯の者であっても、社会で自立し、活躍することができる人材を育成する大学等に修学することができるよう、その経済的負担を軽減することにより、我が国における急速な少子化の進展への対処に寄与するため、真に支援が必要な低所得者世帯の者に対して、①授業料及び入学金の減免と②給付型奨学金の支給を合わせて措置する。
という内容になっています。
どんな学校が対象になるの?
対象になる施設は「大学・短期大学・高等専門学校・専門学校」(ただし、複数の外部理事の任命、厳格な成績管理の実施などの機関要件を満たす学校とする。)と書かれています。
この「ただし、複数の外部理事の任命、厳格な成績管理の実施などの機関要件を満たす学校とする。」という部分ですが、
どの学校でも支援の対象になるわけではなく、一定の要件をクリアした学校じゃないと無償化の対象にはならないようです。
では、どんな学校が対象になるかというと、
「学問追究と実践的教育のバランスが取れている大学等」で、下記4つの項目をクリアしている学校。
「大学などで勉強したことを職業に結びつけ、社会で自立して活躍できるようになる」という今回の支援目的にあった学校が対象のようです。
-
実務経験のある教員による授業科目が標準単位数(4年制大学の場合、124単位)の1割以上、配置されていること。
-
法人の「理事」に産業界等の外部人材を複数任命していること。
-
授業計画(シラバス)の作成、GPAなどの成績評価の客観的指標の設定、卒業の認定に関する方針の策定などにより、厳格かつ適正な成績管理を実施・公表していること。
-
法令に則り、貸借対照表、損益計算書その他の財務諸表等の情報や、定員充足状況や進学・就職の状況など教育活動に係る情報を開示していること。
これだけではどんな学校が対象になるのかちょっと分かりにくいですが、なりたい職業に沿って実践的な授業もやっている学校が対象になる。と考えて良さそうですね。
実際にどの学校が対象になるのかは、夏頃に公表されるそうです。
どんな人が支援の対象となるの?
支援対象者
対象になるのは、低所得世帯の学生(住民税非課税世帯及びこれに準ずる世帯の学生)となっています。
「住民税非課税世帯」というのは、世帯の全員が非課税である場合を指します。
※住民税非課税世帯についてはこの記事がわかりやすかったです! 住民税が非課税になる住民税非課税世帯の年収はいくら?
「これに準ずる世帯の学生」というのは、
【支援内容】
住民税非課税世帯の学生に対して3分の2の支援
【計算方法】
市町村民税の課税標準額×6%から調整控除及び調整額を差し引いた額の世帯(学生本人を含む。)の合計が 25,600円未満となる世帯。
【支援内容】
住民税非課税世帯の学生に対して3分の1の支援
【計算方法】
市町村民税の課税標準額×6%から調整控除及び調整額を差し引いた額の世帯(学生本人を含む。)の合計が 51,300円未満となる世帯。
※両親・本人・中学生の家族4人世帯の場合の目安であるが、実際には多様な形態の家族があり、基準を満たす世帯年収は家族構成により異なる。
支援対象者の要件
支援対象者で、しっかり勉強し就職するという気持ちを持っている人など、ここから更に要件があります。支援中に学校に行っていないなど判断されると、支援を打ち切られたり、支援した分を返還しなくてはならない場合もあるようです。
- 支援措置の目的は、支援を受けた学生が大学等でしっかり学んだ上で、社会で自立し、活躍できるようになること。進学前の明確な進路意識と強い学びの意欲や進学後の十分な学習状況をしっかりと見極めた上で学生に対して支援を行う。
- 高等学校在学時の成績だけで否定的な判断をせず、高校等が、レポートの提出や面談等により本人の学習意欲や進学目的等を確認。
- 大学等への進学後は、その学習状況について厳しい要件を課し、これに満たない場合には支援を打ち切ることとする。
- 退学・停学の処分を受けた場合
- 修業年限で卒業できないことが確定した場合
- 修得単位数が標準の5割以下の場合
- 出席率が5割以下など学習意欲が著しく低いと大学等が判断した場合
※その態様が著しく不良であり、懲戒による退学処分など相応の理由がある場合には支援した額を徴収することができる。
【以下の場合、「警告」を行い、それを連続で受けた場合には支援を打ち切る】
- 修得単位数が標準の6割以下の場合
- GPA(平均成績)等が下位4分の1の場合(斟酌すべきやむを得ない事情がある場合の特例措置を検討中)
- 出席率が8割以下など学習意欲が低いと大学等が判断した場合
【その他の要件】
- 日本国籍、法定特別永住者、永住者又は永住の意思が認められる定住者であること。
- 高等学校等を卒業してから2年の間までに大学等に入学を認められ、進学した者であって、過去において高等教育の無償化のための支援措置を受けたことがないこと。
- 保有する資産が一定の水準を超えていないこと(申告による。)
【在学中の学生について】支援対象者に該当していて、要件を満たしていれば、支援措置の対象となるそうです。また予期できない事由により家計が急変し、要件を満たすと判断される場合には速やかに支援が開始されるとの事。
高等教育無償化の支援内容は?
高等教育無償化の具体的な支援内容は「授業料等減免制度」「給付型奨学金の支給」の2種類となります!
授業料等減免制度とは?
授業料減免とは、各大学等の上限額まで、授業料等の減免を実施する。(減免の費用は公費から支給)※下記の金額を上限として減免されるようです!
国公立 | 私立 | |||
---|---|---|---|---|
入学金 | 授業料 | 入学金 | 授業料 | |
大学 | 約28万円 | 約54万円 | 約26万円 | 約70万円 |
短期大学 | 約17万円 | 約39万円 | 約25万円 | 約62万円 |
高等専門学校 | 約8万円 | 約23万円 | 約13万円 | 約70万円 |
専門学校 | 約7万円 | 約17万円 | 約16万円 | 約59万円 |
※国公立の場合 入学金・授業料ともに、国立の学校種ごとの標準額までを減免。
※私立の場合 入学金については、私立の入学金の平均額までを減免。 授業料については、国立大学の標準額に、各学校種の私立学校の平均授業料を踏まえた額と国立大学の標準額との差額の2分の1を加算した額までを減免。
国公立の場合、平均額が減免されるので、ほとんど無償と言っても良いのかもしれませんが、私立の場合は金額もバラバラなので、学校によっては費用がかかる事もありそうです。
入学金と授業料は減免されますが、
「受験検定料や教科書代、保険各種代、交通費、1人暮らしの場合、家賃やその他生活費など」の費用も考えておいた方が良さそうですよね。
入学金と授業料と一緒に、学生生活にかかる生活費の方も、支援してくれるようです。
給付型奨学金とは?
給付型奨学金とは、学生が学業に専念するため、学生生活を送るのに必要な学生生活費や、大学等の受験料を支給してくれる制度のようです。(費用は日本学生支援機構から支給)
給付型奨学金では、下記の金額が支給されるようです。(自宅生 平均45万円 自宅外生 平均88万円)
国公立 | 私立 | |||
---|---|---|---|---|
大学・短期大学・専門学校 | 自宅生 | 約35万円 | 自宅生 | 約46万円 |
自宅生 | 約80万円 | 自宅生 | 約91万円 |
※高等専門学校の学生については、学生生活費の実態に応じて、大学生の5割~7割の程度の額を支給。
高等教育無償化はいつから?手続きなどのスケジュール
高等教育無償化は「2020年4月から」始まる予定だそうです。
文部科学省の方に電話で確認したところ、夏ぐらいに対象大学等の公表があり、それから高校など学校の方に連絡がいくそうです。
- 採用申込
- 経済状況の確認
- 生徒本人から JASSO(独立行政法人日本学生支援機構)にマイナンバー等を提出
- 高校等が生徒の進学意欲等を確認しJASSOに報告
- JASSOによる要件の確認
- 採用候補者の決定
最後に
高等教育の無償化については、いろいろな意見や問題があるようですが、お金がなく進学をあきらめてしまっていた子ども達にとっては嬉しい制度になると思います。
今後どうなっていくのか、高等教育の無償化についてまた新しい情報があれば更新していきたいと思います!
「2020年4月から高等教育の無償化が始まるらしいよ」と聞いて「高校が無料になるんだ〜(*^^*)」と勘違いして勝手に喜んでいた私です…